たかが水虫と侮ってはいけません。
爪の水虫にかかると、下肢機能が低下して転倒するリスクが高まるそうです。
毎日のケアで、完治・予防しましょう。
多くの人を悩ませる水虫。

水虫が引き起こすリスク
水虫の原因になる白癬菌はカビの一種です。
高温多湿の環境を好み、皮膚の角質に感染して水虫を引き起こします。
長時間靴を履いている働く世代で悩む人が多いのですが、お年寄りにとっても人ごとではありません。
ある大学で一般成人と65歳以上の高齢者計159人を調査したところ、白癬菌を散布しているのは、64歳以下の9パーセントに対し、高齢者は55パーセントに達したそうです。
白癬菌が足の裏や指に感染すると足白癬(あしはくせん)に、爪の中に入り込むと爪白癬(つめはくせん)になります。
爪白癬はかゆみなどの症状がなく気付かない人も多いのですが、進行すると爪が白や黄色に変色し、皮膚が厚くなったりボロボロになったりします。
治療せず放置すると爪が変形してしまいます。
水虫は命に関わらない疾患だと軽く見られますが、水虫が高齢者の転倒リスクを高める恐れがあるそうです。
早稲田大学で1万人をこえる水虫患者を対象に調査したところ、足の指や爪に水虫があるお年寄りで過去1年間に転んだ経験を持つ人は、転ばない人よりもおおかったそうです。
足の爪は歩くときに重要な役割を果たします。
歩くときに爪には大きな力がかかります。
ところが水虫で弱くもろくなった爪では、足先に力が入らずよろけてしまい、転んでしまう可能性があります。
爪白癬になりやすい足の親指は、踏ん張るときに力がかかる場所です。
水虫で爪が弱ると、踏ん張れなくなって転んでしまいます。
水虫の予防

水虫は治ります
お年寄りは特に注意が必要な水虫ですが、予防はシンプルで完治も可能です。
一番有効なのは、こまめに足を洗って、白癬菌(水虫菌)を取り去ることです。
白癬菌は水虫の人の足から剥がれ落ちた皮膚や爪に潜み、スポーツジムや銭湯など人が集まる場所で拡散されます。
足に付いた菌を放置すると、丸一日かけて皮膚の角質に侵入し感染します。
水虫の予防はまず洗うことです。
- せっけんで足指の間や爪、足裏をよく洗います。
- 水で流してから、乾いたタオルで拭きとります。
- バスマットは感染の原因になるのでこまめに取り換えます。
面白いのは「消毒用アルコールでの除菌は効果がない」ということ。
せっけんの方が殺菌作用が大きいそうです。
足を洗ってきれいにしたら、次は足の爪はまめに切りましょう。
同じ靴や靴下を長い間替えなかったりすると、足が蒸れて白癬菌の増殖を招きます。
サンダルの素足履きでかかとがかさつき、菌が入りやすくなって水虫に感染することもあるそうです。
まとめ

水虫が原因で転ばないように・・・
水虫は根気よく治療すれば完治します。
水虫かなと思ったらすぐに治療を始めることが肝心です。
初期の状態なら市販の水虫薬でも十分効き目がありますが、あまりひどいようなら迷わず皮膚科に行きましょう。
薬をつけてかゆみが治まっても治ったとは言えません。
皮膚の奥底に潜む白癬菌を完全に除去するには根気よく治療するしかありません。
将来水虫が原因で転ぶことがないよう、若いうちから心がけたいものです。
ありがとうございました。